例外事項

前項では一般的な乗用車を想定してお話ししてきましたが、バイクはエンジンを発電機のように使う事もある四輪車とは違って、停止状態では長時間のアイドリングを続けられるような設計ではないので注意が必要です。
後述する走行しながらの暖機運転の方が好ましいのですが、一般にはあまり浸透していないようです。
そして中型以上のトラック・バスです。こうした車種では空気ブレーキを採用しています。そのため、ブレーキ空気圧を確保するための暖機運転が必要となります。取扱説明書には、毎朝運行前にエア・タンクの弁を開放し、空気を全部排出してからエンジンを始動するように書かれていて、空気圧の上昇具合が正常か確認するように定められています。つまり、取扱説明書に従うと、毎朝10分以上の暖機運転が必要ということになります。
エア・タンクの空気圧が完全に上昇していない状態で走行を開始すると、ブレーキが利かないので危険です。始業点検時にエアタンクの空気を抜かずに、前日の残りの空気で走行を開始することで暖機運転は省略可能ですが、エア・ブレーキ系統の点検も省略することになるので、やはり危険です。
ただ、最近の大型自動車では、駐車ブレーキを空気圧で解除する構造「ホイールパーク」が装着され、極端に空気圧が不足した状態で走行しないように対策されています。